スペック戦闘民族が、投資をKILL(腕時計も)

オラ、スペックカカロット!腕時計や投資について斬っていくぞ

むかし、むかし

あれははるか昔。オラが小3だった夏の日。

 

オラは弟といっしょに友達のゆうちゃんと公園に行きガンケシで遊んでいた。

 

オラ、デブ。

弟、デブ。

ゆうちゃん、デブ。

 

デブが三人。

 

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ガンケシとは、ガンダム消しゴムのことで、消しゴムでもないんだけど、SDガンダムの人形のことだ。コツコツお金を貯めて、100円のガチャガチャで入手したお宝たちだ。

  小3の子供にとって親よりも大事な、自分の命の次くらい大事なガンケシ10体くらいをコンクリートの山に規則正しく並べて、悦になる。なんと楽しい遊びだろうか。

オラも弟も、ゆうちゃんも並んでいるガンケシを見て満足そうだ。どいつも自分のガンケシが一番カッコいいと思っている顔していやがる。

  三人で楽しく遊んでいると、知らねー顔した男がオラのガンケシを取ろうと、手を伸ばした。オラは男よりも素早くガンケシを手にして守った。

 

オラ「なにすんだー!」

 

オラの雄叫びが公園中にひびく。

男を見るとオラと同い年か、やや下か。髪はやや長く、小柄でほっそりしている。そして、目鼻だちがよくて端正な顔だ。クラスにいたら目立つようなタイプだ。ルックスではやや負けたかもしれないが、体格では勝っている。そういう奴にオラはめっぽう強かった!

 

相手はしばらく無言だったから、オラは中指を立てながら「消えろ、くそやろう!」とイキってやった。

 

弟も「そうだ、そうだ」と加勢。

ゆうちゃんは「消えろ、くそやろう!」と、オラと全くおんなじことを中指を立てながらいった。

 

オラは一瞬、ゆうちゃんに対して「えっ?」って思ったが、今は心強い味方。いっしょにこの悪ガキを懲らしめてやる気持ちのほうがまさっていた。

オラたちはデブ三人。相手はヒョロヒョロで一人。オラたちの勝利は目前だったのだが、

悪ガキは突然「にいちゃーん」と叫んだ。

オラたちは、(えっ、仲間くんの?やばくない?)とざわめきだしたが、程なく、悪ガキの兄ちゃんと思われる男とその友達二人が登場。悪ガキ兄は痩せてはいたが、身長はオラより高く、おそらく学年が1つ上。その友達二人もオラたちより年長ぽい雰囲気をもっていた。

そして最悪なことに、悪ガキ兄の右手には銃があった。おそらくエアガンだ。

 

 

悪ガキ兄「どうした?」

悪ガキ弟「こいつら、いじめる」

悪ガキ兄「よし、おにいちゃんがぶっ倒す」

 

その瞬間、悪ガキ兄のエアガンが火を吹いた。

バン、バン!

二発の銃声の後、弟とゆうちゃんが「いてぇー!」と叫ぶ。二人の太ももにBB弾が当たったみたいだ。

 

悪ガキ兄「次はお前だ」

オラ「逃げろー!」

 

悪ガキ兄がエアガンの引き金を引くよりも先にオラは叫びながら逃げた。公園の入り口まで走り、そこに止めていた自転車を乗って逃げ出した。後ろを見ると、幸いなことに弟とゆうちゃんも自転車に乗ってついてきた。

公園から500mほど離れたあたりで、オラたちはチャリを止めた。

 

(ふー、なんとか危機を脱したか)

 

オラは、二人が無事に付いてきたことや、自分が被弾しなかったことに安堵したが、ゆうちゃんは顔を真っ赤にさせながら怒っていた。

 

ゆうちゃん「このままじゃ終わらない!やり返す!」

 

オラ「えっ、やめようよ。もう帰ろう」

 

ゆうちゃん「だめだ。戻るぞ」

 

ゆうちゃんの目は血走っており、オラのいうことなんか聴くような状態では無かった。

 

オラ「ゆうちゃん、作戦は?」

ゆうちゃん「いいから、ついてこい」

 

ゆうちゃんは前の日に幽遊白書をみて、気持ちが高ぶっていたのだろう。特に考えもなく公園に行こうとする。

オラと弟は仕方なく、渋々ゆうちゃんについていった。

 

公園に到着すると、相手がオラたちを見つけ、「オラーー!」と向かってきた。

 

やっぱ、怖い。

 

オラはチャリで逃げた。弟も逃げた。

ゆうちゃんは、

 

あれ、いない?

  

そんなことより、悪ガキ弟がオラたちをマウンテンバイクで追いかけてなる!

 

オラと弟は必死で逃げたが、こっちはママチャリで向こうは多段ギアのマウンテンバイク。長期戦は不利。程なく弟が捕まる。

(くっそー、捕まったか。だが、弟が作ってくれたこのチャンス、必ず無駄にしねぇー)とオラはその隙に全力でペダルを漕いだ。

 

程なくして、うまくまいたと思い、止まって休んでいると、悪ガキ弟がやってきた。なぜか、オラの弟もそのあとについてきていた。どうやら捕まったら、後ろをついていくルールらしかった。所詮子供だ。

しかし、オラも子供。悪ガキ弟を見た瞬間にペダルを回した。

 

駆けた。

 

心臓がバクバクいって、肺が破裂しそうでも、漕ぐのをやめなかった。

 

 

こっちはデブでママチャリ。相手は細身で、マウンテン。やがて悪ガキ弟がオラに並んだ。

 

やばい、捕まる。

 

そう思ったオラは、次の瞬間、相手のペダルめがけて蹴りをおみまいした。

 

悪ガキ弟「いてー」

 

相手が怯んだ隙にチャリの速度をあげ、差を広げた。最後の力だ。

 

しかし、相手もおってくる。その差がどんどん縮まる。

 

前方は交差点。

 

追われているオラは、止まらずに交差点を突っ切る。

 

後ろで、ドン!と音がなる。

オラは気にせず逃げる。

 

やがて、悪ガキ弟がもう追ってこなくなった。しばらく、身を構えて、待っていると、弟がやってきた。

 

オラ「やつは?」

弟「車にひかれた」

 

どうやらオラが突っ切った交差点で、悪ガキ弟が運悪く車にひかれたらしい。

弟の話で車はそれほど早く走っていなくて、悪ガキ弟はすぐに立ち上がったというが、オラを追いかけるのは諦めたらしい。

 

オラ「帰るか」

弟「うん」

 

 

正義は勝つってほんとなんだなー、思いながらオラたちは帰路についた。